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客単価が上がる仕組み、下がる仕組み

なんでもネットで情報が手に入り、簡単にそれを購入できる昨今、
消費者の目に、本来比較されはずでなかった競合の情報が映ることにより、
値引きクーポン等を配布するお得訴求や、価格競争に陥りがちです。

 

しかしこのような時代に、値引きを駆使した集客は有効なのでしょうか?
「ネットで比較されるからサービスの質を落としてでも客単価を下げるしかない」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
本コラムにて、客単価を下げる価格競争をしなくとも競合に打ち勝つ方法を解説いたします。

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客単価を下げずに集客を行うためのポイント

  • ・客層を絞ることは機会ロスに繋がるのか?
  • ・大事なのは常連のお客様の獲得
  • ・目的ではなく手段としての利用を促進

1.客層を絞ることは機会ロスに繋がるのか?

例えば、それぞれ客層の異なる4種類の飲み屋が同時に開店するとします。
1.誰もが集う万人向けの飲み屋
2.スポーツファンが集う飲み屋
3.野球ファンが集う飲み屋
4.ある特定球団チームAのファンが集う飲み屋
1から4に行くほどお客様層を絞っています。
この中で開店後の売り上げがしばらく良いのは1のお店だと思われます。お客を選んでいないので「新しいお店が出来た」需要に乗れるからです。

2から4のお店で言うと、「特にスポーツ好きではないし…」
「野球よりサッカーが好きだし…」「チームAのファンと言うワケでは…」
やはり万人向けでないのは機会ロスが多い、と考えてしまい勝ちですが、
お客様のリピート率ではいかがでしょうか?

リピーター獲得の為に1のお店は「次回使える一杯券」をくれるかもしれません。
なので多少はリピーターを獲得できるかとは思いますが、今ではどこのお店でも一杯券の類は配っているので、あまり効果的ではなく、いつの間にか財布の中で有効期限切れになっていることがよくあります。

一方、開店後、スタートダッシュに乗れずジワジワと売り上げを上げてきている4のお店のリピーター状況はどのように想定されるでしょうか。

2.大事なのは常連のお客様の獲得

新規客と常連客の割合を考えると、1から4に行くほど常連客が多いのではないかと推測できます。それでは、1のお店は常に新規客狙いにすれば良いですね。毎日、お店の周辺でティッシュを配ったり食べログとかぐるなびのクーポンを活用して集客しましょう。お店に来てもらえるのならビール1杯ぐらいサービスしても痛くはないです。

そんな折、ビールを500円で販売している1の隣の競合店がビールを450円で売り出しました。それではお客様を取られてしまうので、1のお店はしかたなく420円に価格を下げました。広告費もクーポンもかさむ上に、料金を下げなければならないとは…。このようにして客単価が下がっていきます。

4のお店はどうでしょうか?新規客獲得ではファンの会報に広告を載せる、とか考えられますが、そもそもチームAファンであるお客様が新たにお客様を連れてきてくれるケースが多く、さほど広告費を掛ける必要はなさそうです。なおかつビール一杯の値段は経営状況に合わせて設定できます。極端な話、1000円にしてもお客様の足が遠のく等、影響があるでしょうか…?このようにして客単価を上げる可能性がでてきます。

3.目的ではなく手段としての利用を促進

万人向けの1のお店とかなりお客様層を絞った4のお店では、広告費とビール一杯の値段でかなり差が出てしまいました。お客様層は違えど、飲み屋は飲み屋です。なぜ、このように客単価の違いが起こるのでしょうか?

1のお店には、「飲むこと」を目的としたお客様が多いので 競合店との争いになりやすく、常に広告や価格に気をかけなければなりません。しかし4のお店には「他のチームAファンと集いたい」を目的としたお客様が、その手段として来店しているので、予算感はあれど、そこまで価格を気にしません。

お客様層を絞り、「目的」ではなく「手段」として利用してもらうことが大きな違いを生んでいます。加えて、1のお客様には「飲まない人」はほとんどいませんが、4のお客様には「飲まない人」でもチームAのファンであれば来店を訴求できます。新たに「飲まない人」の開拓もできそうです。

まとめ

客層を絞ることが機会ロスになるかどうかの判断はお任せするとして、貴社の商品はどのように販売されているでしょうか?

「一日●個売れてます」 「製品の質が良いです」 「業界でも低価格です」と言うコピーが多いのなら1の飲み屋と同じ売り方になっていると思われます。万人というのは「特にこの商品を選ばないとならない理由がない」人達です。常に安いほうを選び、リピート率も高くないという客層にも関わらず、ひしめきあった競合店でお客様の取り合いになっています。「以前より売れなくなったな」「客単価が下がってきた」「利益が減っているな」と感じられたら今一度、ターゲット層を精査してみませんか?

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この記事を書いた人
加藤 英里

新卒で入社したリクルートにて、地域振興事業の立ち上げから推進まで9年間従事。プロモーション企画立案、ご当地グルメプロデュース、イベント主催などの他、講演やセミナー講師も務める。2014年5月から現職。BtoB・BtoC問わず、病院・結婚式場・メーカー・レジャー施設などのWEB集客コンサルティングに従事。

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