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【社長業】独自化をやり切れる社長だけが中小企業を勝たせ続ける時代における社長業の本質

中小企業がこれからの時代を勝ち抜くために不可欠なのは、競合との差を競う「差別化」ではなく、比較されない土俵を自らつくる「独自化」です。そして、この独自化を構想で終わらせず、組織としてやり切れるかどうかは、社長業そのものの在り方に直結します。本コラムでは、なぜ今あらためて独自化が重要なのか、独自化を実現するために社長が果たすべき役割とは何か、そして社員一人ひとりを巻き込みながら圧倒的なスピードで独自性を形にしていくための考え方について、事例を交えながら幅広く解説します。

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独自化とは戦略ではなく社長の意思決定の連続であり、差別化思考を捨てる覚悟からすべてが始まる

中小企業が市場で生き残るために必要なのは「競合よりも少し良い存在」になることではありません。それでは必ず価格競争に巻き込まれ、体力勝負になり、やがて消耗していきます。独自化とは、競合と比べて勝つ戦略ではなく、そもそも比較されない場所に立つ戦略です。そしてこれは、マーケティング施策や商品企画の話以前に、社長の意思決定の質と一貫性の問題です。多くの中小企業が「差別化はできている」と考えています。しかし実際には、競合と同じ土俵で、少し違う表現をしているだけ、少し付加価値を足しているだけというケースがほとんどです。その状態では、顧客は必ず比較しますし、価格や条件で選ばれます。独自化とは、「なぜこの会社でなければならないのか」という問いに、誰が聞いても納得する答えを持つことです。

この答えは、現場任せでは生まれません。社長自身が、自社は何を捨て、何に集中し、どんな顧客にどんな意味を提供する会社なのかを言語化し続ける必要があります。独自化とは、社長がその都度ブレずに意思決定を積み重ねた結果として、後から形になるものです。逆に言えば、社長の判断が場当たり的であれば、独自性は絶対に定着しません。

独自化は顧客理解の深さで決まり、やり切る覚悟がない限り中途半端な施策で終わる

独自化を実現する企業に共通しているのは、顧客理解の解像度が異常なほど高いことです。表面的なニーズや要望ではなく、顧客自身もまだ言語化できていない違和感や不満、理想にまで踏み込んでいます。そこまで理解して初めて、「他社ではなく、この会社でなければ意味がない」という価値が生まれます。

しかし、多くの企業は途中でやめてしまいます。「ここまでやれば十分だろう」「これ以上はリスクが高い」と、独自化の入り口で足を止めてしまうのです。独自化は、やればやるほど尖ります。尖れば尖るほど、理解されない人も増えます。その不安に耐えきれず、無難な方向に戻ってしまう。結果として、どこにでもある会社に戻ってしまうのです。
社長業として重要なのは、この局面で逃げないことです。独自化とは、全員に好かれる道を捨て、一部の顧客に深く刺さる道を選ぶことです。その選択をし、やり切る覚悟を示すのが社長の役割です。そして、やり切る姿勢は必ず社員に伝播します。社長が腹をくくっている会社ほど、現場も迷いなく動き、結果として独自性がスピード感を持って形になっていきます。

独自化は社員の誇りを生み、当事者意識とスピードを同時に引き上げる経営装置になる

独自化の本質的な価値は、社外だけに向いているものではありません。むしろ、社内に与える影響の方が大きいと言えます。自社の独自性が明確になると、社員は「自分たちは何者なのか」「何のためにこの仕事をしているのか」を理解できるようになります。この理解が、当事者意識とスピードを生みます。

中小企業において、社長がすべてを考え、社員は指示を待つ組織では、成長スピードには限界があります。独自化が言語化され、共有されている組織では、社員一人ひとりが「この判断は自社の独自性に沿っているか」という軸で考え、動けるようになります。結果として、社長の判断を待たずに前に進む場面が増え、組織全体の意思決定スピードが劇的に上がります。
また、「うちの会社は他とは違う」という誇りは、採用や定着にも直結します。条件ではなく、価値観で人が集まり、残る組織になるからです。独自化とは、売上を伸ばすための戦略であると同時に、組織を強くするための経営装置でもあるのです。

 

まとめ|独自化を本気でやり切る社長業こそが市場に左右されない企業をつくる

これからの時代、中小企業が勝ち続けるために必要なのは、流行を追いかけることでも、競合に勝とうとすることでもありません。他にはない価値を、自分たちの言葉で定義し、それをやり切ることです。そして、その起点にあるのが社長業です。

独自化は、誰かに任せて完成するものではありません。社長が考え、決め、伝え、ブレずにやり切る。その姿勢が社員に伝わり、組織としての一体感とスピードを生み、市場に対して圧倒的な存在感を放つ企業へと進化していきます。差別化ではなく独自化を選ぶこと。中途半端ではなくやり切ること。社長がすべてを考えるのではなく、社員全員を当事者として巻き込むこと。この社長業を本気で実践できた企業だけが、市場環境に左右されず、長く選ばれ続ける存在になります。今こそ、自社の独自性と真正面から向き合い、社長業としてやり切る覚悟を決めるタイミングです。

この記事を書いた人
代表取締役
浅野 道人

立命館大学卒業後、パーソルキャリア、楽天などを経て、2012年グローカルを創業。特にリソースが不足しがちな中小企業やベンチャー企業の戦略を得意とし、事業戦略、組織人事戦略、採用戦略、WEB集客戦略、営業組織改革、業務改善など、経営戦略全般を担当。

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