【宿泊施設】コロナウイルスショックで経済が停滞している「今」取り組みたい3つの対策
報道の通り、新型コロナウイルスの影響で経済活動が大きく停滞しています。当社でも全国の宿泊施設様から様々な影響をお聞きします。
先の見通しが立たない中でも、経営活動を続けるための対策が急がれます。
本記事では、現時点で考えられる「コロナウイルスショックの宿泊業への影響」と「今取っておきたい3つの対策」についてまとめました。
宿泊施設など「対個人サービス」が大きく売上減少見込み
過去の災害・感染症・経済危機から予測する旅行需要への影響
時間が経過するごとに深刻さを増している状況にあり、以前と同水準に旅行需要が戻るまでには相当の時間がかかる可能性があります。そこで過去の災害や感染症などの経済への影響を踏まえた「今後の影響の予測」をまとめました。
・SARS級(短期)の場合
国内では感染者がゼロだったSARS(2003年に流行)と比較すると、すでにこれ以上の影響が出ることが予想されます。経済的な影響がこのレベルに留まったとしても、少なくとも5月までは需要が半減する可能性があります。
・東日本大震災級(中期)の場合
インバウンド需要の長期的な低下に加えて国内の自粛ムードが中長期で続くと、宿泊業界にとっては大きな痛手です。宿泊予約数の減少の長期化に加えて、訪日外国人の年間延べ宿泊者数が前年比30%減となる可能性もあります。さらにオリンピック開催規模の縮小や競技開催地の変更を考慮すると、被害はますます大きくなることが考えられます。
・リーマンショック級(長期)の場合
この時はインバウンド需要が約2年で元の水準まで戻りましたが、問題は国内需要の回復でした。「国内の一人当たりの宿泊回数」は3年後まで10~20%減となりました。多くの宿泊施設様において売上の土台となる「国内旅行需要」が今回もリーマンショック級に減少した場合、少なくとも2020年内は「国内旅行者数が前年の50%減」になるシナリオのもとに営業計画を練る必要がありそうです。
「有事」に耐えうる経営体質を目指す「3つの対策」
残念ながら国内全域レベルの緊急事態は定期的に発生しており、今後も発生するかもしれません。こうした「経営環境の強制的な変化」が起こるたびに、「有事にも対応できる経営体質」を目指すことの意義を考えさせられます。
これまで当社では「集客改善」をはじめとした「経営改善」の支援に多く取り組んでまいりました。数字を改善された宿泊施設様においては、次の3つの対策を取られています。
対策①景気が回復しないことを見越した「経営戦略」の再構築
先ほども触れたように、少なくとも年内の入込みが「対前年比50%」となった場合でも事業継続できるよう早急に経営戦略を構築しなおす必要があるかもしれません。例えば、「同業他社との差別化をはかる」「客単価を変える」「サービスを見直す」などの抜本的な見直しや新しい売上の柱を考えることもその一つです。
対策②新しい取り組みのための準備を含む「営業計画」の再立案
①の経営戦略の再構築にともなって、それをどのように達成するかを「営業手法」「営業先」の見直しを含めて考えます。例えば期間を決めた「緊急プロジェクト」を社内で立ち上げ、いつ、どこへ、どのように営業するかを考案することも一案です。そこには「WEBを通した集客」に投じるコストや、投資の回収を計画することも含まれます。
対策③新たな営業計画に見合う「集客施策」の検討
②にもとづき、「どのように来館していただくか」を具体的なプランに落とし込みます。例えば最近では、「公共交通機関の利用を避けたい方が多い」との理由から、「車で行ける旅行先」を検討する方へ向けた対策をお考えの施設様も少なくないようです。あくまでも一例ですが、「車で2時間圏内」の近場のお客様をターゲットに設定し、最も効果的な集客手法は何か?を考えることなどが有効かもしれません。
政府による各種支援策をご紹介
先に挙げた3つの改善策は、いずれも「そのため時間とコスト」を投下できる場合に行えるものですが、直近の資金繰り等でお困りの際は、政府による特別支援策が日々更新されておりますのでぜひご覧ください。当社へご相談をいただく機会が増えていますので本記事でご紹介いたします。
厚生労働省 ー 雇用調整助成金
厚生労働省 ー 時間外労働改善助成金
経済産業省 ー 資金繰り支援(各種)
追記:
・経済産業省による中小企業向け資金繰り支援は「対象業種」が大きく拡大されました。
・3月7日の新型コロナウイルス感染症対策本部会合において、「個人事業主を含む中小・小規模事業者を対象に、金利などの条件を大幅に緩和した貸付制度を創設する」との旨を安倍晋三首相が表明しました。(日経新聞3月7日記事)
まとめ
未曾有の経済的打撃によって先の見通しが立たず、お困りの方が多数いらっしゃるかと思います。この機会に先々へ目を向けて、経営戦略、営業戦略(計画)の再構築に取り組まれたい方は当社へご相談ください。