【宿泊施設】資本力やブランド力に依存しない、旅館・ホテルの差別化マーケティング戦略
お金をかけずに行うマーケティング戦略とは
「うちには絶景の露天風呂や豪華な部屋があるわけではない。これといった強みを見出せないので集客に困っている」
というようなお悩みを旅館・ホテルの経営者からお聞きすることがあります。 有名な旅館やホテルであれば、お客様の目に留まる機会も多いでしょう。しかし、そこまでではない旅館・ホテルにとって、ブランド力や資本力のある大手には太刀打ちできないこともあります。その結果、行いがちなのが料金の値下げや広告媒体への投資です。当然のことながら、利益が減少してしまうので、経営が圧迫することもあるでしょう。
「このままで良いのだろうか…」
と不安に思う経営者も多いのではないでしょうか?その状況を打破するために重要になってくるのが「尖らせた差別化戦略」です。 「尖らせた差別化戦略」を展開するために意識することは二つあります。
1.ターゲットを明確にする
2.ターゲットへピンポイントに刺さる施策を投じる
ここでは、具体的にどのように展開すべきかをご説明します。
総合力ではなく、ターゲットの差別化で勝負
誤解を恐れずに言えば、温泉・部屋・料理など、旅館・ホテルを構成する主要な要素を大きく改善しようとすれば、ある程度まとまった投資を行わなければなりません。自社よりも積極的に投資を行っている競合と比較されると見劣りしてしまい、集客するためには値下げせざるを得ないということもあるでしょう。
しかしながら、恒常的な値下げは利益を圧迫しますし、安売りをして稼働を上げることで現場が疲弊してしまい、離職率が増えるという悪循環に陥ってしまうというのもよくある話です。 過剰な投資や安売りをするのではなく、差別化戦略ができたらいいですよね。それでは、どういった差別化戦略があるのでしょうか。具体事例を紹介します。
差別化に必要なのは「どんなお客様に来て欲しいか」
差別化戦略をとるためには、「どんなお客様に来て欲しいか」を明確に定めて、そのターゲットにダイレクトに刺さる施策を投じる必要があります。
例えば、ターゲットの分類としては以下などが挙げられます。
・定年を迎えた60代老夫婦
・あまりお金を持っていないがトレンド収集力やSNS発信力の高い10代の若いカップル
・未就学児の子どもがいる30代夫婦の家族
ここで重要なのが来て欲しいターゲット像を細かく設定することです。例えば「老夫婦」でも「会社の役員をやっていてお金に余裕のある層」なのか「年金生活を送っていて安くお得に旅行に行くのが楽しみな層」なのかによって、アプローチ方法が違います。自社に来て欲しいお客様はどのような方なのか、写実的にイメージしてみましょう。
写実的に描いたターゲットがどのように過ごすことが快適なのかという観点で考えていけば、必ずしも派手なサービスや過剰な特典は必要ないことに気づくでしょう。
ターゲットのニーズにピンポイントに応える施策を打つ
具体的に少ない資金でも投じることができるマーケティング戦略を紹介します。
・老夫婦:ベッドのある部屋があることを訴求
・若い学生カップル:写真映えする食事の盛り付けや撮影スポットを設置
・未就学児の子どもがいる家族:お子様用メニューの紹介や風呂でのおもちゃを提供
効率良く収益を上げるためには「限られた資金を効果的に使うこと」が重要です。不特定のターゲットに対して広く浅く行う施策よりも、優先順位をつけ、特定のターゲットに絞って施策を行う方が、結果的には新規顧客の開拓やリピーターの創出に繋がります。
集客のための施策を検討する際には、ターゲットの利用シーンを具体的にイメージし、ターゲットのニーズをどう満たすかという観点で検討することが大切です。
まとめ
大きな投資を伴うことなく、旅館・ホテルが効率よく集客するためには「差別化戦略」が重要です。
差別化戦略を行うときに意識することは、
「ターゲットを明確にする」
「ターゲットへピンポイントに刺さる施策を投じる」
です。年齢・年代・何が目的なのか・どういった嗜好なのか・自社であればどのように過ごすのか、ということを明確に定める必要があります。大きな資金力がなくても、ターゲットのニーズを満たすサービスを行うことで、集客力をアップさせることはできるでしょう。
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