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人事制度

“他責の文化“からの脱却

経営者の方にインタビューすると、

「うちの社員はすぐ他の部門のせいにする」

という言葉をお聞きします。

 

実際に社員側に聞いても

「A部門がこちらの都合も考えずに勝手にお客さんの要望を受けてくる」

「うちの部のメンバーは一生懸命やっているのに、B部門はさぼっている」

という話が出ます。

 

本音を言えば他責でも自責でもどちらでもよく、とにかく良い方向に進めればいいのですが、残念ながら他責だけになってしまうと相手への不満を言うだけで良い方向に改善されることが少ないようです。

 

他責になってしまうと部分最適になりがちです。全体の成果よりも自分たちの効率性などを優先します。他部門に協力する姿勢はなく、むしろ批判し、全体の成果を重視した提言が出てこないのも当然です。

 

他責の方に他部門への提言を促すと

「それはA部門の責任でしょ」という言葉すら出てきます。

ではなぜ部分最適になっているのでしょうか。

 

部分最適になる原因

最大の原因は、全社の目的や目標が共有できていないことで、更に他部門のことを知らないことも重なり、何も言えないということがあります。

そもそも知っているべきことを知らない方が多いということです。

 

例え知っていても、誰かの言葉を借りているだけで、咀嚼して自分の言葉で理解していない場合もあります。

 

自社の理念や他部門を理解しよう

自社の理念やビジョン、業績目標やその進捗、他部門や同僚のことなど、知ることで判断ができるようになることは沢山あります。

 

知ってしまうと不満に思うのではないかと考え、あえて知らせていないことがあるかもしれませんが、それは改善を先送りしているだけで、その間に不満は大きくなったり、生産性が低くなったりするかもしれません。

 

社員が社内の情報を知ることは、短期的なマイナスがあったとしても、長期的にはプラスになる可能性が高いのです。理念やビジョン、業績目標を知ることは、全体最適で考える起点となります。

 

 

他部門や同僚を知れば、自身の行動がどのように他部門に影響するかを想像し、相手よりも自分を変える選択をするかもしれません。また、相手への不満をきっかけに前向きな提言をすることもできるようになるかもしれません。

 

他責で停滞する文化から脱却し、常に進化し続ける組織をつくるには、まず自社内で知るべきことを全社員が共有することです。

 

まっさらな新入社員の声こそ耳を傾ける

新入社員は何にも染まっておらず、既存の文化を変える力を持っています。

新入社員だから担当業務に関する最低限必要なことだけ知ればいいということではなく、

まっさらな目で自社を見てもえるよう、自社の理念やビジョン、一緒に働く仲間のことを

深く知る機会を創ってみてはいかがでしょうか。

 

 

鈴木 泰大
この記事を書いた人
鈴木 泰大

早稲田大学教育学部卒。株式会社東急観光入社。教育海外派遣や複数企業を対象とした研修など教育研修事業に従事。組織・人事コンサルタントとして、主に組織活性・人材育成の観点から理念構築や浸透、風土改革、人事制度構築、教育研修を担当。グローカルでは組織活性・人材育成に関わるパッケージ商品開発も担当。これまで、宿泊業、システム開発会社、不動産会社、ビル管理会社、製造業、出版社など100社以上の制度構築に携わる。