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中小企業が取り組むべきターゲット戦略とは?意味から策定方法まで徹底解説!

昨今、「ターゲット戦略」や「ターゲティング」という言葉はビジネスシーンでも当たり前のように使用されるようになりました。

しかし、
「ざっくりと理解はしているけど、具体的に説明ができない」
「重要性はもちろん理解しているけれど、中小企業にも必要なのだろうか」
「ターゲット戦略を策定しようにも、やり方が分からない」
などのお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「ターゲット戦略」の概要から、具体的な策定方法まで、解説していきます。ターゲットの見直しや新規ターゲットの開拓の際にぜひご活用ください。

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ターゲット戦略とは

ターゲット戦略を一言で表すと「勝負する市場を選定するための戦略」です。
自分たちが勝てる市場を選び、特定のニーズに応えるために必要な戦略です。

現代ではモノやサービスが飽和しており、発信も容易になったことで情報が溢れかえっています。
そのため、商品やサービスの性能が優れていることだけでは、ユーザーの購買に繋げることが難しい環境です。

また、情報収集が多種多様な方法で行えるようになったことで、ユーザーのニーズも多種多様になっています。
多種多様なニーズ全てに応えることが目標になってしまうと、かえってどのニーズにも応えられないような、平凡な商品やサービスになってしまいがちです。
どのニーズにも応えられなければ、誰からも興味を持ってもらえない状況に陥ってしまいます。

そこでターゲット戦略では、自社の商品やサービスが勝てる市場を選定し、特定のニーズに深く応える商品やサービスを提供するために戦略を策定します。

 

中小企業にこそターゲット戦略が必要

ここまで解説してきたターゲット戦略ですが、中小企業にこそ必要な戦略だと言われているのはご存じでしょうか?

その理由は、ターゲット戦略でユーザーのニーズを深く理解することで、
大手企業を相手に競り勝っていくための「限られた資源の効率よい投資」「知名度に依存しない効果的なアプローチ」が実現できるからです。

限られた資源の効率よい投資(マーケットインの考え方)

前述の通り、ターゲット戦略でニーズを把握することで、自社の商品やサービスが勝ちやすい市場を絞ることができます。
市場を絞ることができれば、勝てる市場のみを取りにいくことが可能になります。
その結果、資源が限られていても投資を集中的に行い、売り上げを上げることが可能になります。

知名度に依存しない効果的なアプローチ(潜在ニーズの考え方)

 

大手企業と比べて、中小企業は商品やサービスの知名度で負けてしまうことがあります。
知名度の高い商品やサービスを相手にした状態で「選択肢の中からユーザーに選ばれること」は難しく、比較検討される中で競り負けてしまうことがあります。

ですが、ユーザーも言語化できていないような「深いニーズ(潜在ニーズ)」に対してアプローチが出来れば、知名度に依存しない方法で商品やサービスを売り出すことが可能です。

ユーザーのニーズを深く理解するためには、どのようなユーザーを狙っていくのか定義しなくてはいけません。
ターゲット戦略は、策定の中でユーザー像を定義することで、深いニーズの理解にも繋がります。

 

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ターゲット戦略の具体的な進め方

ここまでターゲット戦略の重要性について説明してきました。
ここからは、ターゲット戦略策定の具体的な流れをご説明します。

フレームワークを使用するなど、様々な手法がありますが、
今回は中小企業に特化したコンサルティングを行う弊社グローカルの手法を例に説明させていただきます。

グローカルのターゲット戦略策定の手順は以下の通りです。

①ターゲットを構成要素に分解
②要素ごとに具体的な項目を設定し点数付け
③設定項目を掛け合わせて優先度の高いターゲットを選定
④優先度の高いターゲットのペルソナを作成
⑤言語化した潜在ニーズを元に戦略や施策を決定

それぞれのフェーズごとに解説します。

①ターゲットを構成要素に分解

ターゲットがどんな要素で細分化できるのかを考え、3~4の構成要素に分解します。
構成要素は、ターゲット戦略の目的によって異なります。
具体例は以下の通りです。

BtoBビジネス:業界業種、企業規模、担当者の役職、課題意識など
BtoCビジネス:年齢、居住地、年収、よく見る情報メディアなど
採用:年齢、経験職種、転職理由など

②要素ごとに具体的な項目を設定し点数付け

構成要素への分解が完了したら、次に以下のように各要素ごとに項目を設定します。

年齢:22~29歳、30~36歳、37~43歳、44~50歳、51~57歳、58~64歳、65歳~、など
居住地:30分圏内、1時間圏内、2時間圏内、3時間圏内、など

項目の設定が終わったら、優先度を考えながら項目に1~5点で点数付けをします。
優先度と点数はターゲット戦略の目的を考慮して決定します。
BtoCビジネスにおいての年齢を例を説明すると、若者向け、子育て世代向け、シニア向け、などで点数付けの基準が異なるイメージです。

③設定項目を掛け合わせて優先度の高いターゲットを選定

②で設定した項目を掛け合わせて組み合わせを作成します。
すべての組み合わせを作成し合計点数を算出するため、グローカルではエクセルを使用します。
全ての組み合わせの中で点数が高いものの中から重複などを考慮し、
5~10個のターゲットを優先度の高いターゲットとして選定します。

④優先度の高いターゲットのペルソナを作成

③で選定したターゲットのユーザー像をさらに明確化するためペルソナを作成します。
ペルソナは、「プライベートな部分まで詳細に設定したユーザー像」を意味するマーケティング用語です。
潜在ニーズと呼ばれる「そのユーザーがどのような悩みを抱えていて、どのような状況を望んでいるのか」を明確にするためにペルソナを設定します。

ペルソナを作成する方法は、以下の3つがあります。

Level1 実在の人物を当てはめる方法

ターゲットの条件に当てはまる知人をそのままペルソナにして使う方法です。
ターゲットと似た人物が同級生や親戚など知り合いにいれば簡単に設定できますが、
交友関係や人生経験に依存するため、若い方ほど難しい方法です。

Level2 実在の人物を改変する方法

ターゲットに近い知人を条件に近づけて改変する方法です。
「学生時代はAさんに近い、社会人になってからはBさんに近いな」など、知人の要素を組み合わせるパターンと
「Cさんが○○業界で働いていたらターゲットに近い人物像になるな」など、知人のIFストーリーを考えるパターンがあります。
ターゲットに当てはまる知人がいない場合に使用できますが、こちらも作成者の交友関係に依存するため万能ではありません。

Level3 項目の情報から論理的なストーリーを組み立てる方法

定義した項目の情報を繋ぎ合わせて違和感のないストーリーを作る方法です。
マーケティングであれば「購買行動を起こす必然性」を、採用であれば「選考を受ける必然性」を論理的に説明できるようにストーリーを組み立てます。
今回紹介した方法の中で最も汎用的ですが、情報収集に時間がかかることや、ストーリーの妥当性は経験から判断せざるを得ないため、結果的に作成者によって精度が大きく変わってしまうことがデメリットです。

ペルソナの設定に関しては、さらに詳しく解説したコラムをこちらから閲覧できますので、ご興味あればご参照ください。

⑤言語化した潜在ニーズを元に戦略や施策を決定

ペルソナを設定し、潜在ニーズまでユーザー像を深く理解したのち、そのユーザーに対するアプローチの方法や内容を決定します。

ユーザー像や潜在ニーズに合わせて、どの媒体でアプローチするのか、どのような広告の文章にするのか、どのようなホームページの構成にするか、などを決定します。

まとめ

この記事では「ターゲット戦略とは『勝負する市場を選定するための戦略』であること」、
「中小企業こそ、大手に競り勝っていくためのターゲット戦略が必要であること」、「具体的なターゲット戦略の策定方法」について解説しました。

株式会社グローカルではペルソナを用いたターゲット戦略に基づき、WEBマーケティングや採用強化、新規事業などの分野において、地方の中小企業を中心に支援を行っております。

「実際ペルソナを設定する際の方法はどのような流れなのか」「作ったペルソナをどのような場面で活用していくのか」などを具体的にまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。ご興味ありましたら以下からお気軽にダウンロードくださいませ。

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加藤英里
この記事を書いた人
マーケティング戦略事業部
加藤 英里

新卒で入社したリクルートにて、地域振興事業の立ち上げから推進まで9年間従事。プロモーション企画立案、ご当地グルメプロデュース、イベント主催などの他、講演やセミナー講師も務める。2014年5月から現職。BtoB・BtoC問わず、病院・結婚式場・メーカー・レジャー施設などのWEB集客コンサルティングに従事。