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中小企業のコンサルティング

中小企業様必見!ここだけ抑えるデプスインタビュー~インタビュー前・中・後~

顧客の声を商品やサービスに反映させることは、商品やサービスの改善だけでなく、 顧客満足度の向上や競争力の強化に繋がるなど、マーケティング活動を行うにあたって非常に重要です。顧客の意見を収集する方法として下記がございます。


アンケート

紙やメールなどのフォームにて、用意した質問に対して答えを回答する
メリット  :大規模かつ効率的なデータ収集、匿名回答が可能。
デメリット :質問が制約され、表面的な情報や解釈の難しさがある。


グループインタビュー

複数の対象者とディベート形式で行うインタビュー
メリット   :参加者の相互作用やリアルタイム反応が見られる。
デメリット  :タイムマネジメントが難しく、主義主張者の影響が出やすい。


デプスインタビュー
対象者と1対1の対話形式で行うインタビュー
メリット   :個別の参加者に焦点を当て深い理解が可能、柔軟な質問ができる。
デメリット  :時間とコストがかかり、全体的な傾向を見逃す可能性がある。

 

上記のように情報収集の方法によってそれぞれメリット・デメリットがございます。 中でもデプスインタビューは、顧客1人と対話を行うことにより顧客の深い深層心理が 特定できることで近年注目を集めております。

当コラムでは、デプスインタビューを行う際の準備や抑えるべきポイントをお伝えすることで、 中小企業の担当者様が失敗を恐れずにデプスインタビューに取り組めることを目的としております。

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デプスインタビューの概要

デプスインタビューについての概要をご説明いたします。

中小企業がデプスインタビューを行うメリット

中小企業がデプスインタビューを行うメリットとして下記3つが挙げられます。

顧客の声を反映した製品やサービス作りができる
実際にサービスを利用しているユーザーの意見を聞くことで、 ユーザーの求めている意見を製品・サービスに反映させることができます。

新たなビジネスチャンスの可能性
深い対話によって得られた潜在的なニーズは、未開拓の市場を把握するのに役立ち、新しい製品やサービスの開発に繋がる可能性があります。

顧客のロイヤリティ向上に繋げられる
顧客から意見を取り入れる姿勢を見せることで、 企業やサービスに対する帰属意識を高め、顧客のロイヤリティ向上に繋がります

デプスインタビュー前の不安

デプスインタビューの重要性は理解しているが、下記のような不安からなかなかインタビューの実行に踏み切れていないご担当者の方は多いのではないでしょうか。

「インタビュー前にどんな準備をしていいか分からない」

「インタビュー中に上手く回答を引き出せるか分からない」

「インタビューの後は、集めた意見をどう活かせばいいか分からない」

当コラムでは上記の”分からない”から生まれるインタビューの失敗に対する不安を解消するためにも、 インタビュー前 インタビュー中 インタビュー後 と3つのフェーズに分け各フェーズにて最低限抑えるポイントをご紹介いたします。

 

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インタビュー前

目的の明確化

インタビューの目的を明確にせずに、なんとなしに実行した場合、 知りたい答えを持たない対象者を選んでしまうことや、目的とは関係のない質問をしてしまうなど、行ったインタビュー自体が無駄になってしまうこともございます。 そうならないためにも、 今回のインタビューで何を理解・把握することが目的なのかを明確化してインタビューに臨みましょう。 顧客インタビューの目的は企業やタイミングによってさまざまですが、 具体的には下記のようなものが考えられます。

【インタビューの目的例】
‐LTV向上に向けた既存顧客の意見収集
‐サービス改変に向けた自社の強みの特定
‐新規事業に向けた顧客ニーズの把握

目的を複数設定することも可能ですが、あまりに多くの目的を設定すると、インタビュー内容が多岐に渡ってしまい1つの目的への深堀りがしづらくなるため、多くても2~3個ほどの目的設定をおすすめいたします。

対象者の選定

インタビューの対象者の選定は、インタビュー前の重要な要素となります、
下記は対象者の選定における要素や、その他の目安を記載しております。

顧客軸
-購買履歴
-性別
-年齢
-家族構成
-利用環境

インタビューを行うべき顧客の軸を考え、対象者を選定いたしましょう。

人数
対象者が極端に少ないと分析結果が個人の意見に偏ってしまいます。一方で一度のインタビューに時間がかかるため、5~15人程度が効率的な人数だと考えられます

募集方法
インタビュー対象者を募るには以下の方法がおすすめです。 既存顧客と新規顧客に分けて最適な募集方法が変わります。

<既存顧客>
‐メール
‐架電

<新規顧客>
‐SNS
‐インタビュープラットフォーム
‐知人からの紹介

謝礼
謝礼を用意することでインタビューへの参加率が高めることができます。一方であまりにも高額な謝礼の場合、顧客の忖度によって本音の回答が得られないこともありますので、 無理のない謝礼を用意することをおすすめします。

質問の準備

インタビューを行う前に、あらかじめ大まかな質問内容を準備しましょう。
下記はインタビューの目的に対する質問の例となります。

質問例①

目的 :LTV向上に向けた顧客の意見収集
対象者:優良顧客

・利用のきっかけ
・長期利用に至っている理由
・乗り換えを検討したことがあるサービス
・追加してほしい機能やサポート

 

質問例②

目的 :新規事業に向けた顧客ニーズの把握
対象者:お試しで利用したユーザー

・良かったと感じた点
・良くないと感じた点
・追加してほしい機能
・他の人におすすめしたいと思いますか

 

上記はあくまで参考となります。インタビューの目的に沿った質問を作成いたしましょう。 また気を付ける点として、詳細すぎる質問は準備せず、その場で臨機応変に質問を行いましょう。 インタビュー内で行う全ての質問を準備してインタビューを行った場合、流れ通りにいかず焦ってしまうことや、 定型的な答えしか聞けなくなり、柔軟に質問ができるデプスインタビューの良さを活かすことができなくなります。

インタビュー中

インタビュー中に意識すること

会話の中で回答者の本音を引き出すことが重要になります。
回答者から本音を引き出すためにも、インタビュー中は下記3つを意識しましょう。

 

リラックスできる環境づくり
顧客インタビューでは対象者から本音を引き出すことが重要となります。本音を引き出すためには、形式ばった堅苦しい雰囲気を避け、 カジュアルな雰囲気で相手にリラックスをして回答してもらいましょう。

<リラックスして頂くための手法>
・インタビュー前に雑談でアイスブレイクをする
・カジュアルな服装を選ぶ ・声量を相手に合わせる
・大きく相槌意識する

近年ではオンラインにてインタビューを行うケースが増えてきていますが、 オフラインでのインタビューも直接顧客の顔を見ながら話すことができるのでお勧めです。 オフラインでは、「カフェなどのカジュアルな場所を選ぶ」「お菓子しや飲み物を出す」などの方法も有効ですので是非取り入れ見てください。


オープンクエスチョンを意識する
オープンクエスチョンとは対象者が自由に答えることのできる質問を差します。 反対に「○○は好きですか?」という質問は「クローズドクエスチョン」と呼ばれ、はいorいいえで簡単に答えらるもので、そこで会話が途切れることが多いです。 インタビューを行う際は、「好きなものは何ですか?」のように自由に答えられる「オープン・クエスチョン」を活用することが望ましいです

 

聞き手側に徹する
インタビュワーが聞き手側に回ることで、回答者が話す時間が増え、本音を引き出すことに繋がりやすいです。 あくまで目安ですが、質問者 :3割 回答者:7割 ほどの会話が望ましいです。 回答者によって積極的に話さない方もいらっしゃるかと思います。 その際はクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを交えて回答を引き出すよう意識しましょう。

 

会話の脱線を気にしない
インタビュー中は話が脱線することがありますが、気にしないでおきましょう。 「別に言うべきことでもないけど、、、」や「あ、そういえばこれも!」のような顧客から積極的に話すタイミングも本音に繋がることが多いです。 それだけ回答者が積極的に意見を伝えてくれている状態とも捉えられます。脱線したからといって無理に本題に戻さず、本音に繋がる部分を探しましょう。

インタビュー後

インサイトの特定

回答結果から顧客のインサイトを推察することで、顧客が求める施策を考えることができます。インタビューの回答をもとに、顧客のインサイトを推察しましょう。

インサイトに似た言葉に潜在ニーズという言葉がございます。 どちらも顧客自身が把握していない深層心理のことですが、 インサイトは潜在ニーズと比較しても、より自分で認識できていない無意識の欲求のことを指します。

顕在ニーズ
自分で認識している意見や欲求
※インタビューにて回答者から出る欲求

潜在ニーズ
自分で認識できていない意見や欲求
※インタビューにて質問者が投げかけて初めて気づく欲求

インサイト
潜在ニーズよりもさらに無意識化にある意見や欲求
図星の感覚に近く、指摘されるとついイラっとしてしまうことが多いです

 

【高級スポーツジムの例】
下記は高級スポーツジムにおけるデプスインタビューから、インサイトを特定する例となります。

目的 :新規会員獲得
既存会員のLTV向上

対象者:既存顧客

<顕在ニーズ>
・初心者向けのジムには通う気にならない
・高いレベルの人と競争することで、自分を追い込みたい
・高いお金を払うことで、何としても通い続けたい
・強い負荷が掛けられる機材を使いたい

<潜在ニーズ>
・人と違うものを選びたい
・ライバルを越えた時の喜びを感じたい
・通い続けるための拘束力が欲しい
・限界に挑戦したい

<インサイト>
・自己顕示欲を満たしたい
・日常に刺激が欲しい
・怠惰な性格を直したい
・何かを成し遂げたい

インサイトを特定するにあたって、ターゲットのペルソナを策定をすることをおすすめ致します。 ペルソナとは、ターゲットを実際の人物に落とし込んだものです。 インタビューの回答をもとに、回答者の心境や置かれている環境などを加味しながら人物像を深めることで、 ターゲットである回答者のインサイトを洗い出すことに役立てましょう。

ペルソナの作り方はこちら⇩

施策を実行する

特定したインサイトを元に、実際に行う施策を考案します。
インサイトは顧客の願望であることが多いため、商品やサービスを通して、顧客の欲望を満たす施策を考えることが重要になります。

一般的には顕在ニーズや潜在ニーズから施策を出すことが多いですが、 インサイトから施策を考案することがおすすめです。 インサイトは潜在ニーズと比較してより深い欲求を指します。 より深い欲求から導き出す施策は、顧客の期待を越える施策を導くことができます。

【高級トレーニングジムの例】

下記は前項の高級トレーニングジムの例です。
それぞれ潜在ニーズとインサイトから施策を考案しています。

<潜在ニーズ>
・人が選ばない物を選びたい

<施策>
・他のジムと違う要素を追加する
・スタイリッシュな雰囲気にリブランディングする

<インサイト>
・自己顕示欲を満たしたい

<施策>
・成果に応じたノベルティの付与
・成果に応じたインストラクターへの昇格制度の導入
・イベントやコンテストの開催

潜在ニーズから導き出した施策は顧客の期待に応えるものですが、 インサイトから導き出した施策は、「成果を出して賞賛されたい」という顧客の深い欲求を満たすため 顧客の期待を越え、より高い成果が期待できます。

 

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まとめ

デプスインタビューを行うことで、定量調査などのデータでは捉えることが難しい、顧客の深層心理を理解することができます。
是非デプスインタビューを取り入れることで貴社の商品・サービスの改善にお役立てください。

また実際にデプスインタビューを行う際には、より効果の高いインタビューにするためにも 当コラムで紹介したポイントを抑えてみてください。 株式会社グローカルでは、地方の中小企業や、地方への参入を検討している中小企業のWEB集客・販促を行っています。 詳しくはサービスページ【WEB集客・販促】をご覧ください。

香山昌太
この記事を書いた人
香山 昌太

大学在学時にEC古着事業の立上げを経験後、新卒にて大手繊維商社に入社。国内大手アパレルメーカーに対する、アジア圏を中心としたOEM生産の営業活動に従事。 新規事業開発室に異動後、プロスタイリストを顧客とした撮影衣装リース事業の立上げ・運営に従事。 中小企業におけるマーケティング活動の支援を行うため、グローカルに入社。