中小企業経営者のための失敗しないコンサルティング会社の選び方
中小企業経営者にコンサルティング会社をより有効活用していただくための本シリーズ。今回は、「いざコンサルティング会社に依頼しようにも、どの会社を選んでよいかわからない」というお悩みについて、お答えします。
玉石混交のコンサルティング業界。比較しやすい商品やサービスを購入するわけではないからこそ、選ぶ際の見極めが重要です。どのコンサルティング会社に依頼すべきか悩んだ際には、ぜひ下記ポイントで比較していただくことをおすすめします。
よいコンサルティング会社を選ぶ際に見極めるべきポイント
①中小企業の実情に対して理解があるか
よく「自社の業界に詳しいコンサルタントの方がよいのか?」という質問も受けますが、業界に特化したコンサルタントである必要性はないと考えます。理由としては、業界に特化していると、かえって業界特有の固定概念に捉われ、革新的な発想がしづらくなってしまう可能性があるからです。しかしながら、中小企業の実情についての理解の深さは重要です。大企業と比較し、人材的にも資金的にも限られた中で経営している中小企業。その実情を理解した上で、実行可能な戦略を立て、さらに実行支援まで行ってくれるコンサルティング会社がおすすめです。
②自社商品を持っていないかどうか
世の中には、「コンサルティング営業」という職種が多く存在します。コンサルタントと名乗りながら、実際は、クライアントの課題解決のために自社商品を提案する営業職です。自社商品を持っていると、どうしても自社商品を使ってもらいたいという力学が働きます。そのようなしがらみがなく、クライアントにとって中立な立場で、本当に必要なものを提案してくれるコンサルティング会社を選びたいものです。
③クライアントである企業や事業に対して当事者意識を持っているか
コンサルタントに求めたいこととして、「相談したことに対して的確に助言できる」ということはもちろんですが、それよりも一歩踏み込み、「クライアントの企業や事業を我が事化し、より伸長させるためにはどうすべきか自発的に考える」ことができるコンサルタントかどうかも見極める際の重要なポイントです。
④他社の成功事例の提案ばかりではないか
「他社で成功したので御社でもやりましょう」という提案ばかりのコンサルタントにも注意が必要です。流行や成功事例を追うのも大事ですが、クライアントである企業独自の強みを磨き、クライアントと共に成功事例を作り出すことができるコンサルタントこそ、依頼すべき価値があると言えます。
⑤提案内容や使用する言葉がわかりやすいか
「専門用語やフレームワークを駆使し、なんだかすごそうな感じはしたが、結局自社が何をすべきなのかはよくわからなかった」というのは、コンサルタントに依頼して失敗したと感じた経験のある中小企業経営者からよく聞く話です。どんなに素晴らしい提案でも、実際にクライアントがそれを使いこなせなければ、意味がありません。優秀なコンサルタントほど提案内容はよりシンプルで、平易な言葉で説明する傾向があるように感じます。
まとめ
コンサルタントはよく、参謀や医者、登山の際のシェルパなどに例えられます。いずれにしても、自社の進むべき方針を決める重要な役割を果たす存在です。
もちろん、依頼してからが本番ではありますが、どのコンサルティング会社に依頼すべきかどうか、最初の見極めも肝心と言えます。ぜひ慎重に、自社に合ったコンサルティング会社を見極めていただければと思います。