【小規模事業者持続化補助金】申請のススメ#4 経営計画(事業計画)作成のポイント
小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む費用等を支援することを目的とした「小規模事業者持続化補助金」。
5月1日から新たに「コロナ特別対応型」の受付が開始され、コロナショックにより影響を受けた事業者を対象に補助率や補助額上限の大幅な拡大が実施されています。
コロナショックによる経済への打撃に対し、様々な政府支援策が発表されていますが、一方で、わかりにくい申請方法や煩雑な書類作成に困難を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。本コラムでは前記事(「【小規模事業者持続化補助金】申請のススメ#3 準備すべき書類とその内容【コロナ対応特別型】」)に引き続き、今後数回にわたり書類作成に当たってのポイントをご紹介します。第二回となる今回は、2020年3月に申請し、同年5月に採択された弊社の小規模事業者持続化補助金【一般型】申請書の一部を公開し、経営計画作成のポイントについてご紹介します。
【一般型】と【コロナ対応特別型】における記載項目の相違点
「一般型」の申請書においては記載すべき内容が具体的に指示されていますが、「コロナ特別対応型」では記入項目が大幅に削減されています。「コロナ特別対応型」の申請において何をどのような順番で書けばよいか迷ってしまう方は、「一般型」の記載項目に則って作成することをお勧めします。ただし、「コロナ特別対応型」では申請用紙の枚数上限が5枚とされていますのでご注意ください。
今回は当社採択事例である「一般型」申請書に沿って解説を行いますので、「コロナ対応特別型」の「2. 事業概要」、「4. 今回の申請計画で取り組む内容」の作成にあたっては、下記の表のとおり内容を対応させて頂ければと思います。
経営計画作成のポイント
【一般型】申請書における記載項目は下記の通りです。
<経営計画>
1.企業概要
2.顧客ニーズと市場の動向
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
4.経営方針・目標と今後のプラン
<補助事業計画>
1.補助事業で行う事業名
2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容
<経営計画>
「1.企業概要」
本章については、自社の主力事業と目的、また補助事業の内容について簡潔に説明を行っています。本申請にあたっては、企業としての価値ではなく、申請事業の生み出す価値が審査のポイントとなることが考えられるため、本章は簡潔にまとめ、次章意向で詳細な説明を行いましょう。
「2.顧客ニーズと市場の動向」
今回弊社では、営業代理店の展開事業を補助事業と位置づけ、そのための調査費、代理店リストの購入費、訪問における出張費の補助申請を提出いたしました。
本章の作成にあたっては、代理店展開事業に係るストックホルダーを洗い出し、それぞれにおけるニーズと本事業による効果を言及することで、事業の必然性を訴求しています。
自社が申請する補助事業が、自社の売上向上だけでなく、市場や顧客に対して価値を提供するものであることをわかりやすく解説し、その意義を訴えることが大切です。
「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」
企業概要で説明した主力事業について、具体的なサービス内容と強みに触れ、他社との差別化要因にも触れることでその根拠を提示しています。強みの源泉を明確に示すことで、その具体性を示すことが重要です。
「4.経営方針・目標と今後のプラン」
売上目標を数値で示し、目標達成における課題と補助事業の果たす役割について言及しています。とりわけ、コロナショックによる目標達成への影響について具体的に説明することで、補助事業の重要性を訴えることが重要です。弊社申請書では、補助事業の展開による経営再建プランを提示し、本補助事業の重要性について訴求しています。
<補助事業計画>
補助事業計画については、可能な限り具体的な施策まで落とし込み、計画性と実現性を訴求しましょう。そのためにも事業計画における課題を突き詰め、可能な限り具体的な事業計画へと落とし込みましょう。
まとめ
本コラムでは、弊社の小規模事業者持続化補助金【一般型】の採択事例をもとに、経営計画書作成におけるポイントについて解説致しました。既存の経営計画を改めて精査し、顧客、市場、自社にとってどのような価値を持つのか明確に訴求しましょう。また、精査にあたって新たに見つかった課題や不安要素について解決策を追加し、本申請を期にコロナショックを加味した新たな経営計画を練り直しましょう。
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