【小売業のアフターコロナ】業態別に見たアフターコロナの見通し
中小企業はwithコロナ・アフターコロナの時代をどう乗り切るべきかー。今後の見通しを示した業界別コラムに引き続き、地方の中小企業の経営コンサルティングを行う株式会社グローカルが、小売業界における業態別の影響と予想される変化をより詳細にまとめました。このページでは、帝国データバンクが提供している景気DI値のデータを基に、業種ごとの傾向を分析します。
※ここでの景気DI値とは、全国企業の景気判断を総合した指標で、50を境に上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味します。景気の良しあしを、学力偏差値のように表示したものです。
業種別にみた影響【家具類小売/繊維・繊維製品・服飾品小売/自動車・同部品小売】
コロナ以前から、消費税の増税などで景気が低調気味だった小売業界は、新型コロナウイルスの影響でさらに市況が悪化する形となりました。直近4月のDI値で見ると、家具類小売、繊維・繊維製品・服飾品小売の順で小売業界内ワーストであり、特に家具類小売は全業界55分類中でもワースト5位。一番の大きな要因は、原材料や製品自体の仕入れがストップした影響で「売るものがない」状態になっていること、外出自粛の中で「高単価の物だから見てから納得して購入したい」「試着してから購入したい」というニーズを取り込むことができない状態であったことが考えられます。
同様の理由で自動車・同部品小売もコロナの影響を大きく受けており、こちらは昨年の市況が悪くなかっただけに、昨年対比で大きく落ち込むこととなりました。
業種別にみた影響【医薬品・日用雑貨品小売/各種商品小売/飲食料品小売】
一方で、影響は受けているものの、他業種に比べて下がり幅が少ないのは医薬品・日用雑貨品小売、各種商品小売、飲食料品小売です。日用必需品を扱うこれらの業種は、もともと景気の変動を受けにくく、全業種から見ても数値の下がり幅は少なく見えます。
ただ、あくまで業種全体として影響を受けにくい傾向にあっただけであり、現場では非常に大きな変化を感じていたことでしょう。特に巣ごもり需要や買いだめ需要への対応は、店舗オペレーションの在り方や、在庫管理の在り方など、仕組みの部分に大きな風穴を開けたのではないでしょうか。
まとめ
小売業の影響について業種別にみてきましたが、これらは大きく2つの観点から考えることができるのではないでしょうか。
1つは業態別の影響、もう1つは業種別の影響です。
業種別の影響は、取り扱っている商品特性上の影響です。これは、需要の観点で、「どれだけ必然性があるか」を問われているように思います。一般的に生活必需品を扱う業種の下がり幅が少なかったことは、まさにここです。
業態別の影響は、販売体制などの「仕組み」の部分です。同じ商品を扱っていても、どのようなチャネルで顧客と接点を持つか、どのような在庫管理を行っていくか、などの全体観の見直しが必要かもしれません。
扱う商品の幅を広げる、販売チャネルを新しく検討する、などのピンポイントの手法論を取り入れるだけではなく、ビジネスの根幹から戦い方を検討しなくてはならない局面にきていることは明らかです。具体的に言えば、今こそ自社の「経営戦略」「事業戦略」から販売戦略を策定するフェーズなのかもしれません。
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