「いい人が採用できない」の本当の理由【前編】
私は、現在地方の中小企業のWEB集客のご支援をさせて頂いている一方で、
人事コンサルタントとして10年以上、組織の活性化についてご支援させて頂いています。
今日は、中小企業の経営者の方から良くお伺いする「いい人が採用できない」ということ
についての本当の理由について触れたいと思います。
経営者や管理職であれば、「組織にとっていい人の採用」を考えない日はないと思います。
では、そもそも「いい人」とはどんな人なのでしょうか?
極端な話をすれば、
「時給700円とバイト程度の給与水準で採用でき、
社員の中でも現場のリーダーとして周りをまとめ売上を上げられる人」
のことを言うのでしょうか?こんな方いたら理想ですよね。
でも、普通に考えれば、そんな人いるわけがないのです。
いたとしても、まず出会えません。
おそらく、流れ星レベルの出現率でしょうから。
これまで1万人以上を面接・キャリアカウンセリングをしてきた経験から申し上げれば、
例外もありますが、概ね給与水準とその方のビジネス力は比例します。
つまり、時給700円程度で働いてもらいたいという方に、
企業のリーダーやマネジメントクラスの能力・成果を求めることはアンマッチなのです。
こんなことを書くとほぼすべての経営者の方や管理職の方は、
「当たり前だ」とお答えになる方がほとんどだと思います。
先ほどの例は少し極端ですが、
額面給与20万円、社会保険や交通費を足しても、
人件費23.5万円と新卒~社会人3年目程度の給与で働いてほしいが、
やってほしいのはマネージャーやリーダーとして周りをまとめてほしい。
というケースは実際には少なくありません。
そのこと自体は決して悪いことではありません。
個人が企業で働くことに臨む仕事の内容や給与の条件などがマッチすれば、
採用された後も長期間働いてくれることもあります。
しかしながら、従業員の方の置かれている環境は、
下記のような状況であることが多分にあります。
1.現在と同じ仕事の内容なら他に給与を含めた待遇の良い会社がある。
2.高校や大学の友人と比べて、給与水準が低いので、お盆など地元に帰ると肩身が狭い。
3.仕事の内容や給与にも満足しているが、この先給与が上がるのかどうか不安。
どうでしょうか?
ご自身がこんな立場だったら、今いる環境で長く働き続けたいと思われるでしょうか?
企業としての採用となると、人件費やコストは押さえたいものですが、
従業員が長く働きたいと思う環境を仕事の内容はもちろん、
給与待遇面でも提供できなければ、
従業員の継続的なやりがいを引き出すことはできません。
では継続的なやりがいを引き出すにはどうすればいいか、
後半に続きます。