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中小企業のコンサルティング

【売上アップ9つの手法】迷ったらまずは取り組む!

マーケティング活動をしていると、見直すべきポイントや課題感が分からくなることがあるかと思います。当コラムでは売上アップのための9つの手法を記載しています。当コラムを通して自社の課題感を再確認し、今取り組むべき施策を明確にしていただけると幸いです。

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01.現状の確認と課題の特定

自社製品・サービスの売上アップを任されたけど、マーケティングと一言にいっても意味が広いため「何から手を付けたら良いのか分からない」とお悩みのマーケティング担当者様は多いのではないでしょうか。

売上アップを目指すためには、まず自社の現状を把握し、現状の課題を特定することがなにより重要です。これにより課題に基づいたマーケティング施策に繋がり、マーケティング活動に掛けるリソースが少ない場合でも、最短で目標達成を目指すことができます。

課題を特定するためには、定性・定量での明確な目標を立て、それを達成するための障壁となる課題を洗い出しましょう。そしてその後に、課題解決に沿った具体的なマーケティング活動を実行していくことで、効果的な施策が進められます。これにより、戦略的にマーケティングの成果を上げることが可能です。

02.ターゲティングとペルソナ設計

売上アップのためには、自社のサービスのターゲットとなる顧客を明確にすることが必須です。ターゲットが明確になっていない場合、誰に向けた製品か分からず、さいあく誰にも選ばれない製品になってしまいます。

もしあなたが、自社のターゲットが誰かを答えられない場合は、「ターゲットの明確化」にすぐに取り組みましょう。

ターゲットを明確にする場合、ただ「多くの人に買ってもらいたい」と漠然とした目標を掲げるのではなく、自社の商品やサービスがどのような人々に最も響くのかを具体的に考える必要があります。前項で把握した自社の現状から、自社のサービスが誰に届けるべきなのかを考えましょう。

ターゲットが明確になった後は、「ペルソナ設定」を行いましょう。ペルソナとは、理想的な顧客像を言語化したイメージ像を指します。ターゲット顧客の「年齢」、「性別」、「職業」、「趣味」、「生活環境」、「抱えている課題」など、ペルソナの属性を詳細に設定することで、どのようなメッセージやアプローチが有効かを明確にすることができます。たとえば、20代の若い女性がターゲットであれば、ファッションやトレンドを重視したアプローチが有効でしょう。

ペルソナ設定を活用することで、ターゲットに対して一貫性のあるメッセージを届けることが可能です。SNS広告やリスティング広告では、特定のペルソナに合わせたメッセージを打ち出すことで、効率よく新規顧客を獲得できます。結果として、広告費用対効果も向上し、売上拡大に繋がります。

03.新規顧客の獲得

売上アップにおいて新規顧客の獲得は避けては通れません。積極的に新規顧客を取り込むことで、売上拡大はもちろんのこと、商品・サービスの知名度の拡大にも繋げ、さらなる顧客を取り込むことに繋がります。

新規顧客を継続的に取り込むためには、狙うべきターゲットを明確にし、ターゲットに最適なマーケティング戦略を展開することが必要です。そのためやはり、前項で述べたペルソナ設計を含むターゲットの明確化を行うことが、見込み顧客を取り込むための最適なプロモーション施策の策定や訴求作りに繋がります。

また新規顧客が自社に興味を持ったあとに、スムーズに購入に至らせることも重要です。そのためには、初めての訪問でも分かりやすく、購入しやすいユーザー体験が求められます。WEBサイトにおいては、分かり易いナビゲーションを設けることや、見込み客にとって価値のあるコンテンツを提供することで、初めて訪問した顧客でも迷わず行動を起こせる環境を整えましょう。

さらに、新規顧客向けの特別なオファーも重要です。初回購入割引やお試しキャンペーン、送料無料などのインセンティブを提供することで、購入のハードルを下げ、初めての購入を促進します。こうした施策を通じて、見込み客に実際に購入してもらうことが大切です。

04.既存顧客の維持とリピート促進

新規顧客の重要性を述べましたが、既存顧客との関係を深めリピート購入を促すことも売上アップの鍵です。リピーターは、企業の安定した売上源となり、高いリピート率を維持することは持続的な売上アップのために不可欠です。

リピーターを増やすための効果的な手法の一つに、顧客体験の向上があります。顧客が商品を購入した後のフォローアップやアフターサービスを充実させることで、顧客の満足度を高め、再度の購入を促進することができます。たとえば、購入後にお礼のメールを送るだけでなく、使い方の提案や追加商品のおすすめを行うと、顧客に対して親近感や信頼感を与えることができます。

また、リピーター向けに特別なオファーを提供することも効果的です。既存顧客に対して、定期的な割引クーポンやポイント制度を活用し、特別感を持たせることで、再購入のモチベーションを高めることができます。顧客一人ひとりにパーソナライズされた対応を行うことが、長期的な顧客関係の構築に繋がり、結果として売上アップに寄与します。

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05.客単価向上

売上アップのアプローチとしてすぐに取り組めることとして「客単価向上」が挙げられます。現在利用している顧客の一人あたりの売上が増加すると、全体の売上も大幅に向上します。またサービスにもよりますが、現在の顧客へのアプローチで実現が可能なため比較的取り組みやすいです。

実際に取組める手法としては、クロスセルとアップセルがあります。クロスセルは、すでに購入している商品に関連する商品を提案し、追加購入を促す方法です。たとえば、ある顧客がカメラを購入した場合、その顧客にカメラバッグやレンズフィルターを提案することが典型的なクロスセルです。

一方で、アップセルは、より高額な商品や上位モデルを提案する手法です。顧客がスマートフォンを購入しようとしている場合、より多機能な上位機種を提案することで、アップセルを実現します。このように、顧客のニーズに合った追加提案を行うことで、顧客満足度を保ちながら客単価を引き上げることができます。

06.製品・サービスの開発・改善

マーケティング施策を効果的に実行するためには、ターゲットとなる消費者のペルソナを具体的に描くことが重要です。ペルソナとは、ターゲットとなる典型的な顧客像を詳細に描いたものです。たとえば、X世代のペルソナとして「50代前半、家庭を持ち、安定した職に就いており、環境意識が高い男性」という人物像を設定することで、より具体的なマーケティングメッセージや施策を展開することが可能です。

ペルソナを作成する際には、年齢、職業、家庭環境、趣味、価値観、購買行動など、ターゲットの属性を定量・定性の情報を考慮して作成するように注意しましょう。世代ごとの特徴に加えて、ペルソナによる細分化が行われることで、広告の内容や媒体選定、プロモーションのタイミングなど、より細かなマーケティング戦略が可能となります。

このように、世代別の特徴とペルソナ作成を組み合わせることで、企業はターゲット顧客に対して効果的にアプローチすることができ、より高い成果を上げることが期待できます。

 

07.価格の最適化

商品・サービスに適切な価格を付けることは、売上アップを左右する重要な要素の一つです。適切な価格を設定することで、収益を最大化しながら競争力を維持することが可能です。価格設定の見直しは、定期的に行うべき重要な取り組みであり、市場や顧客ニーズの変化に応じて柔軟に対応する必要があります。

最適な価格策定には、競合他社の価格設定を分析しましょう。競合他社と比べて自社がどの位置にあるのか、また市場全体での価格水準とどれほどの差があるのかを把握します。その上で、自社の付加価値を明確にし、それに見合った価格を設定することが求められます。価格が高い場合には、特典やサービスを付加することで、顧客に「価格以上の価値がある」と感じさせることが重要です。

また高価格帯の製品を扱う企業においては、割引キャンペーンの有効活用を行うことも有効です。市場にある低価格帯の商品・サービスの購入と比べても、得した気分にすることで高価格でも購入を促すことができます。とはいえ、高い頻度や規模の大きい割引キャンペーンは、「安売り」のイメージを顧客に与えるため、注意しながら取組みましょう。

08.営業プロセスと業務の効率化

BtoB企業においては営業プロセスと業務の効率化を行うことで、売上アップに繋げることができます。

たとえば、リードは多く獲得しているがクロージングまでに時間がかかる場合、営業担当者が顧客ニーズに適切に対応できていない可能性があります。この場合、顧客の要望を的確に捉えるためのトレーニングを実施することで、クロージングまでのプロセスが短縮され、成約率が向上します。

また、CRM(顧客関係管理)ツールを導入し、営業活動をデジタル化・自動化することで、より効率的な顧客対応が可能になります。CRMを活用すれば、顧客とのコミュニケーション履歴を一元管理でき、適切なタイミングでのフォローアップや提案が可能になります。これにより、顧客の信頼を得やすくなり、最終的な成約に繋がりやすくなります。

クロージング技術の向上も、営業プロセスを最適化する上で重要です。成約に至る最終段階で顧客が抱える疑問や懸念を解消し、購入を決断するための説得力あるプレゼンテーションを行うことで、成約率が大幅に改善されます。

09.データ活用

マーケティング活動を効果的に進めるためには、データの活用が不可欠です。これまでに様々な手法や考え方を見てきましたが、どの施策においてもデータに基づく判断が成功の鍵となります。売上データや顧客データ、そしてプロモーション施策に関わるデータなど、多岐にわたるデータを分析し、それに基づいてマーケティング施策を進めることで、リアルタイムでの効果的な改善策を打ち出すことが可能です。

たとえば、売上データを活用すれば、どの商品が売れているのか、どのキャンペーンが効果的かを数値で把握できます。また、顧客データを基に、顧客の購買行動や嗜好を分析することで、よりターゲットに合ったプロモーションを展開できるようになります。さらに、プロモーション施策のデータを活用することで、キャンペーンや広告の効果をタイムリーに評価し、必要に応じて改善を加えることができます。

データを活用することで、勘や経験だけに頼らず、確実な根拠に基づいた意思決定が可能になります。これにより、リソースを無駄にせず、効率的で成果の出るマーケティング活動を実現することができます。

データをこれまで活用したことのない方には、最初は抵抗があるかもしれませんが、まずは取り組みやすいところからデータに基づいた判断に挑戦してみましょう。

成功事例

売上アップを実現するための施策にはさまざまな方法がありますが、成功事例から学ぶことは非常に有効です。ここでは、実際に売上アップに成功した企業の事例を紹介します。

 

【1.現状確認と課題特定】

あるアパレル小売業では、売上が停滞している原因を調査しました。

  • 企業: アパレル小売業A社
  • 課題: 商品ページの離脱率が高く、特定カテゴリーの購入が低迷。
  • 取組: サイト分析を行い、商品の写真を高画質に変更し、ページ内の購入ボタンを目立たせました。また、ユーザー導線を再設計し、ページ滞在時間が増えるようにしました。
  • 結果: 購入手続きが簡潔になり、特定カテゴリーの購入率が改善。全体の売上が20%増加し、月次売上が過去最高を記録。


【2. ターゲティングと市場理解】

美容製品を販売する企業が、ターゲットを明確にするため市場調査を行いました。

  • 企業: 美容製品B社
  • 課題: マーケティング施策が幅広すぎて、効果が薄かった。
  • 取組: 30代の健康志向な女性をターゲットに絞り、健康に良い成分を強調したSNS広告を展開。広告文には、「忙しい毎日でも簡単に使える」と訴求し、ターゲット層に適したメッセージを強化。
  • 結果: これにより、広告からのクリック率が大幅に増加。オンライン販売も増え、月間売上が15%増加。ターゲット層からの口コミも増え、リピーター率も向上。


【3. 新規顧客の獲得】

オンラインストアがリスティング広告を活用して新規顧客獲得を狙いました。

  • 企業: オンラインストアC社
  • 課題: 新規顧客が定着せず、リピーターに依存していた。
  • 取組: 検索エンジン広告で「初回限定10%オフ」といったインセンティブを提示し、魅力的なオファーを打ち出しました。また、購買を完了しやすい簡単なチェックアウトプロセスを導入。
  • 結果: 新規顧客の獲得数が40%増加し、月間売上も15%増加。初回購入者が購買体験に満足し、リピーターになる割合も増加。


【4. 既存顧客の維持とリピート促進】

ある食品販売企業が、購入後のフォローを強化しました。

  • 企業: 食品販売D社
  • 課題: 既存顧客のリピート率が低く、一度の購入で終わるケースが多かった。
  • 取組: 購入後の感謝メールに加え、商品の使い方や調理方法を紹介するフォローメールを配信。さらに、購入履歴に基づき、顧客に合った新商品やセット商品を提案しました。
  • 結果: リピート率が30%向上し、定期購入サービスの加入者も増加。顧客一人あたりの年間購買額が平均で20%増加し、売上が安定して成長。


【5. 客単価向上】

家具販売企業が、関連商品の提案を行うことで客単価を上げました。

  • 企業: 家具販売E社
  • 課題: 顧客が主力商品のみを購入し、付属品や関連商品の販売が伸び悩んでいた。
  • 取組: 主力商品購入時に、セットで購入すると割引が適用されるオファーを提供。例えば、ソファ購入時に専用カバーやクッションのセット割引を提供し、関連商品を提案。また、顧客が選んだ商品に基づいて、高機能なアップグレード商品の提案を行うアップセル戦略も実施。
  • 結果: 顧客一人あたりの購入金額が20%増加し、セット販売商品も売れ行きが好調。家具の売上に加え、関連商品の売上が急増し、総売上も大幅に増加。


【6. 製品・サービスの開発・改善】

家電メーカーが顧客フィードバックを反映し、製品を改善しました。

  • 企業: 家電メーカーF社
  • 課題: 新製品の機能に対する顧客の不満が多く、リピート購入が低迷。
  • 取組: 購入後のアンケートを通じて、顧客からのフィードバックを収集。特に操作性に関する不満が多かったため、次期モデルではインターフェースを改善し、より直感的な操作ができるように改良。また、これを基にしたプロモーション動画を作成し、新機能を強調して宣伝。
  • 結果: 顧客からの満足度が上がり、口コミ評価も向上。新モデルの発売後、販売数が前モデル比で30%増加し、リピート購入率も20%向上。

【7. 価格戦略の最適化】

あるオンラインショップが、商品ごとに価格戦略を最適化しました。

  • 企業: オンラインショップG社
  • 課題: 価格競争によって利益率が低下し、商品によっては売上に影響が出ていた。
  • 取組: 商品を価格帯別にセグメント化し、高級志向の商品に値上げを実施。同時に、日常使いの商品には値下げを行い、価格競争力を高めました。また、定期購入やセット割引なども導入し、顧客に選択肢を提供。
  • 結果: 利益率が向上し、特に高級志向商品では利益が大幅に改善。顧客が安心して購入できる適正価格が評価され、日用品カテゴリの販売も増加。全体の売上が伸び、年間利益率が15%向上。


【8. 営業プロセスと業務の効率化】

BtoB企業が営業プロセスを効率化し、成果を向上させました。

  • 企業: BtoB企業H社
  • 課題: 営業プロセスが手動で管理されており、非効率な部分が多く見られた。
  • 取組: 営業支援ツールを導入し、顧客とのやり取りを一元管理。これにより、営業チームが進捗をリアルタイムで確認でき、次のステップを迅速に対応できるようにしました。また、メールやスケジュール管理を自動化し、営業担当者がクライアント対応に集中できる環境を整備。
  • 結果: 営業活動のスピードが上がり、商談の成立率が25%向上。業務の効率化によって無駄な作業が減り、営業チームの成果も上がり、売上も右肩上がりに成長。


【9. データ活用】

EC企業が顧客データを活用し、広告効果を最大化しました。

  • 企業: EC企業I社
  • 課題: 広告キャンペーンのターゲティングが不正確で、無駄なクリックが多発していた。
  • 取組: 購買データやサイト閲覧履歴を分析し、購入可能性が高い顧客に絞ってパーソナライズド広告を配信。特に、特定の商品を見た顧客には、その商品や関連商品の広告をリターゲティングで配信。
  • 結果: 広告クリック率が15%向上し、コンバージョン率も10%改善。無駄な広告費を削減しつつ、実際に購入する顧客の割合が増えたことで、総売上も大幅に増加。

 

おわりに

売上アップを実現するためには、ターゲット顧客の明確化、既存顧客との関係強化、客単価の引き上げ、デジタルマーケティングの活用、営業プロセスの最適化、価格設定の見直しといったさまざまな施策を組み合わせることが重要です。これらの施策をデータに基づいて適切に運用し、継続的に改善を図ることで、持続的な成長を実現することができます。

また、成功事例から学ぶことで、他社が実践している効果的な施策を参考に、自社にも応用できるアイデアを取り入れることが可能です。ビジネスの環境は日々変化しますが、顧客のニーズに常に応え、データを活用しながら適切な改善を行うことで、長期的な売上成長を達成できるでしょう。

香山昌太
この記事を書いた人
香山 昌太

大学在学時にEC古着事業の立上げを経験後、新卒にて大手繊維商社に入社。国内大手アパレルメーカーに対する、アジア圏を中心としたOEM生産の営業活動に従事。 新規事業開発室に異動後、プロスタイリストを顧客とした撮影衣装リース事業の立上げ・運営に従事。 中小企業におけるマーケティング活動の支援を行うため、グローカルに入社。